マルコメ
「料亭の味」

CM / ANIMATION

マルコメ「料亭の味」アニメCMシリーズは、“みそ汁のある風景には家族の絆、あたたかさが存在する” というコンセプトで2014年にスタートしました。これまでに十作品が公開され、SNSを中心に「泣ける」広告として大きな話題を集めてきました。まずは、当シリーズがどのようにして誕生することになったのか、その経緯をお話しします。

マルコメ「料亭の味」は、業界に先駆けて1982年に出汁入りみそとして誕生しました。以来、40年にわたってトップシェアを誇る定番のみそブランドです。今日では生みその他に、液みそ、粒みそ、即席みそ汁など、多様なラインアップを揃えてたくさんのお客さまから支持されています。

2013年当時の状況

しかし、わたしたちロボットがクリエイティブの相談を受けた2013年頃の「料亭の味」は、リ・ブランディングの必要に迫られていました。トップシェアは保っているものの、特に愛着を持って選ばれている商品とは言えなくなっていたからです。食生活の変化によるみそ離れで、若い人や若い家族にとってみそは、強いこだわりを持って選ぶものではなくなっていたのです。

リ・ブランディング -
目標と課題

リ・ブランディングの目標は、みそに無関心でこだわりがない若い人や若い家族に「料亭の味」の新しいファンになってもらうことでした。そのためには、ちょっと古臭く遠いものに感じられているみそやみそ汁を、時代にマッチした身近なものとしてアピールする、アプローチのアップデートが必要でした。

模索の末たどり着いたのが “ジャパニメーション” と呼ばれ、世界中から注目されていた日本のアニメーションです。その世界に誇る豊かな表現力で、現代の日本の “みそ汁のある風景” を描いたら、これまでとは違う、今の時代に相応しい “新しくてあたたかい” みそブランドのイメージが構築できると考えたのです。

こうして「料亭の味」リ・ブランディングは、“みそ×アニメ”でスタートすることになりました。ここからは、「泣ける」企画のできるまでと、ちょっと普通じゃない制作工程についてお話しします。

クライアントのリーダーシップ

あらかじめお伝えしたいのは、今シリーズの成功は、クライアントの明確なビジョンと決断力、そしてクリエイティブへの理解と尊重なしにはあり得なかっただろうということです。振り返って印象深いのは、制作開始当初から今シリーズを十年十作品継続すると仰っていたこと。そのリーダーシップに導かれてここまでつづけることができました。

さらに、当シリーズを「泣ける」広告にしたいというのもクライアントの開始当初からの要望でした。「泣ける」つまり視聴者の「心を動かす」ことで「料亭の味」を愛されるブランドにする、という明確なビジョンをお持ちでした。そのためには、商品を不自然に説明したり無理にアピールしたりする必要もない、という割り切りもありました。

「泣ける」企画のできるま

「泣ける」広告というシンプルなオリエンはクリエイティブにとってはやりがいのある理想的なオリエンであると同時に、決して言い逃れできないプレッシャーのかかるオリエンでもありました。特に企画=シナリオは、これで本当に「泣けるのか?」と、毎作品、自問自答を繰り返しながら進めています。

「泣ける」企画をつくる上で注意しなければならないのは、都合のいい展開や予定調和に陥らないことです。物語に嘘のない充分なリアリティがなければ、観る人の心を動かすことはできません。そのため、今シリーズにはクリエイティブチームやクライアントの実体験をヒントにした物語が多く含まれています。実話が持つ圧倒的なリアリティを丁寧にアレンジして、誰もが共感できる普遍的な物語を構成しています。

そしてまた、重要に思うことは、描かれる “家族” が、わたしたちと同じ現代に生きていると感じられることです。そのために、広告ではタブー視されがちなシングルマザーや老老介護、コロナ禍などのようなリアルな時代のテーマにもあえて挑んでいます。

ちょっと普通じゃない制作工程

今シリーズの制作工程は、平均的な広告映像制作と比べてちょっと “普通じゃない” と言えるかもしれません。ひとつはその期間の長さです。例えば、普通のテレビコマーシャルはオリエンから三カ月程度で完成しますが、今シリーズは約十カ月かけて制作しています。もともとアニメーション制作は時間のかかるものですが、それを差し引いても充分な余裕をいただいていると言えます。

それとともにもうひとつは、企画から完成までの全工程でクライアント確認のプロセスが非常に少ないところです。制作期間の十ヵ月の間で、ほんの数回程度、春にシナリオを、夏に画コンテをチェックしていただき、冬に完成したものをお見せします。もちろん、要所要所でしっかり話し合い目標を共有していることが前提ですが、やり直しや修正を求められることもほとんどありません。

これら、ちょっと “普通じゃない” 制作工程は、クライアントとクリエイティブの信頼関係の証です。これにより、クリエイティブは納得いくまで時間をかけ、検証や試行錯誤を繰り返し作品づくりに集中することができています。

シリーズを振り返って

2014年にスタートした当シリーズは、今年2022年までに十作品が公開され、SNSを中心に「泣ける」広告として大きな話題を集めてきました。YouTubeの公式チャンネルだけでも累計で二千万回以上視聴されている他、新聞やテレビ番組などでも頻繁に紹介され、広告賞等も複数受賞しています。当初の目標であった “リ・ブランディング=「料亭の味」ファンづくり” は、ここまでのところ、期待以上の成果を上げ充分に叶えられているのではないかと思います。また、コンテンツパワーのおかげで、莫大なメディア費をかけなくても拡散する費用対効果の高いプロモーションにもなりました。

(左上)第一作「母と息子」篇
クライアントの体験をヒントに構成。期待以上の好評を得て、シリーズ化に弾みがついた。

(中央上)第三作「夜食」篇
前二作を大きく上回る反響で、「泣ける」広告としての道筋をつけた。シリーズ十作品中、二番目に多い視聴回数。

(右上)第七作「ふたりでおやすみ」篇
主人公の声に、女優の“のん”さんを起用。JAPAN YouTube AdsLeaderboard 2020で上半期5位

(左下)第八作「いつまでも一緒に」篇
JAPAN YouTube AdsLeaderboard 2020で上半期6位 第59回JAA広告賞消費者が選んだ広告コンクール デジタル部門メダリストシリーズ十作品中、最も多い視聴回数。

(右下)第九作「気をつけてね」篇
クライアントの体験をヒントに構成。期待以上の好評を得て、シリーズ化に弾みがついた。

(上から順)第一作「母と息子」篇
クライアントの体験をヒントに構成。期待以上の好評を得て、シリーズ化に弾みがついた。

第三作「夜食」篇
前二作を大きく上回る反響で、「泣ける」広告としての道筋をつけた。シリーズ十作品中、二番目に多い視聴回数。

第七作「ふたりでおやすみ」篇
主人公の声に、女優の“のん”さんを起用。JAPAN YouTube AdsLeaderboard 2020で上半期5位

第八作「いつまでも一緒に」篇
JAPAN YouTube AdsLeaderboard 2020で上半期6位 第59回JAA広告賞消費者が選んだ広告コンクール デジタル部門メダリストシリーズ十作品中、最も多い視聴回数。

第九作「気をつけてね」篇
クライアントの体験をヒントに構成。期待以上の好評を得て、シリーズ化に弾みがついた。

シリーズのこれから

2022年、節目の十作品目が公開され、制作開始当初からの目標のひとつが無事叶いました。一作品一作品に必死に取り組んできた結果ではありますが、まさかほんとに、という思いです。しかし、当シリーズはここでは終わりません。クライアントはさらに先を見ていました。これからは、お客さまも巻き込んだブランドづくりをしていきたいと。“あなたの思い出を「料亭の味」アニメCMに”と呼びかけて、ご愛用のお客さまから「家族をつなぐおみそ汁」をテーマにしたエピソードを募集します。クリエイティブにとっても新しいチャレンジですが、今まで以上に「泣ける」=「心を動かす」作品づくりを目指していきたいと思います。

 クリエイティブスタッフ 
クリエイティブディレクター:矢口隆
企画: 長崎愛/伊藤衆人
プロデューサー: 山内雅登/礒部亜希子
プロダクションマネージャー: 中村光孝

 ROBOTの主な担当領域 
・広告コミュニケーションの企画制作
・制作プロデュース

OTHER WORKS

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